資産運用をやってみたいと思いながら、「具体的にどのようにすれば良いのか」と疑問を抱える方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。超高齢化社会が常態化しつつある日本において、若者の負担は増えるばかりです。また、将来、自分たちがいくら年金をもらえるのか、いくらあれば生活していけるのか、不安を募らせる方が増えています。
家計に余裕がなくても、リスクを最小限に抑えながら少額で資産運用を始められます。何も始めなければ、数十年後への不安をずっと抱え続けるばかりです。資産運用の最低限の知識を身につけ、自分に合った無理のない備えをしていきましょう。
Contents
個人資産運用が必要なワケとは
個人での資産運用は、将来を考える上で重要性が高まってきています。毎月、一定額を堅実に貯蓄している方も多くいらっしゃいますが、それだけでは将来の老後生活への不安は拭いきれません。近年は、現金を銀行に預けてもほとんど増えないと言ってもいいくらいの低金利時代です。
この現実に目を背けず、なるべく早めに資産形成に向けた準備をしていく必要があるでしょう。資産運用は、一般的に長期的な運用の中で資産を形成していくものなので、時間がかかります。目先の利益だけではなく、長年先を見据えた1歩を踏み出しましょう。
老後の年金だけでは生活できない
皆さんは、将来自分がもらえる年金額を把握しているでしょうか。2019年に「老後2,000万円問題」が話題となりました。老後の生活にかかる、1人当たりの試算額です。年金をもらうとはいえ、それだけでこの金額をまかなうのは不可能です。さらに、実際には2,000万円でも足りず、3,000万円必要だという声もあります。
働き盛りの男性にとっては、そんなに大きな問題ではないかもしれません。しかし、派遣社員やパートタイムといった非正規雇用や低賃金でなんとか生活している方にとっては、大きな壁としか言えません。
たとえば、毎月3万円を貯金するとしても、年間で36万円、56年続けてようやく2,000万円を超えます。老後の資金を用意するには、単なる貯金だけではかなり厳しい状況であると分かります。
お金に関心を持つことがメリットになる
「とりあえず働いていればなんとかなる!」とお金の問題を安易に考えていませんか?お金について無知なのはデメリットしかありません。これからの資産形成を考えていくには、最低限の知識は必要です。個人で資産運用を始める際にも、何も知らずに手をつける行為は、リスクを無視しているようなものです。高収入であれば、不安は少ないかもしれません。とはいえ、バリバリ働いている旦那が、ある日突然働けなくなる、という可能性も否定できません。
【始めやすい】3つの個人資産運用のメリットとリスク
個人で資産運用を始める際に、何に手をつければいいのか分からないという方が多いです。それは、資産運用のメリットとリスクをきちんと理解していないからです。資産運用には、さまざまな種類があり、株式投資やFX、国債、投資信託、金・プラチナ投資などが挙げられます。今の生活に負荷がかからない、かつ自分に合った運用方法がどれなのかを判断できるようになるのが望ましいでしょう。
個人国債
個人国債は、投資に関する知識がない人ほどおすすめといえる資産運用方法です。株式投資などのように、社会の動向によって売却の判断に戸惑う心配は一切ありません。
無理のない金額を一定期間国に貸し出し、元本以上の返済を受けるのが個人国債です。ただし、経済変動の影響を受けないため、大きなリターン生み出す方法ではない点は理解しておきましょう。また、インフレによって円の価格が下がれば実質的な価値が目減りするリスクがあります。
金
金は近年、価値が上昇し続けており人気が高いです。年単位のチャートをみても右肩上がりの好調な伸びを見せています。金は安全資産といわれているため、資産運用の初心者でも低リスクで始められます。また、毎月少額を積み立てていく方法も可能なので、資産運用資金が少ない人には特におすすめです。短期間での価格変動は少なく、長期的な運用に適しているでしょう。複数の金融商品を運用する際の分散投資の中の1つとして、ポートフォリオに組み込んでいるケースも多いようです。
NISA
NISAは、投資した分の税金が優遇されるのが利点ですが、良くも悪くも意見が分かれる資産運用の1つといえます。2024年からは新NISA制度が導入されましたが、良いのか、悪いのか、どちらの意見も耳にすることがあるのではないでしょうか。
新NISAでは非課税期間が無制限なのが大きなメリットです。ただし、投資対象銘柄を決めるのは自分であり、その元本保証はありません。そのため、投資信託などにおけるある程度の選定知識や運用知識、社会情勢に敏感でないと上手な運用は難しいでしょう。
個人資産運用はとりあえずこれだけでOK!
個人で資産運用を始める場合、当然ながら資産が減少するリスクを伴うため、ある程度知識を蓄えたり市場動向を分析したりするなど、事前の準備が必要です。しかし、個人向け国債ならそのリスクを負う可能性はゼロです。ここでは、資産運用を始めたい初心者や主婦向けに、「個人向け国債10年」をおすすめします。
個人向け国債10年をおすすめする理由
個人向け国債10年をおすすめする理由は以下のメリットがあるからです。
・高い利率で運用できる
・無理なく1万円から購入できる
・元本割れしない
・年に2回、利息がもらえる
資産運用に関する知識の浅い初心者や主婦が最初に始めるには安心・安全・ピッタリといえるでしょう。
高い利率で運用できる
個人向け国債は国が発行するもので、金利の変動有無や満期までの期間が異なる「金利変動型3年」、「金利変動型5年」、「金利固定型10年」の3種類から選択できます。利率はそれぞれ、0.18%、0.36%、0.50%となっており満期までの期間が一番長い固定型10年が最もパフォーマンスの高い運用が見込めることから人気です。また、基本的に初心者や主婦には短期的な運用はリスクが大きく向いていないため、長期的に運用できるものが望ましいでしょう。
無理なく1万円から購入できる
個人国債は1万円から購入できるため、資産運用としては比較的始めやすいといえるでしょう。個人で始める場合、資産運用に対する不安はつきものです。なるべく少額で試せるものから始めるのが個人資産運用の第1歩としては適切といえます。慣れてきたら徐々に追加で購入したり違う種類の資産運用を始めてみたりなど、段階を踏んで少しずつやってみましょう。
元本割れしない
個人国債は、3つのタイプすべてに年率0.05%の最低保証が約束されています。つまり、絶対に元本割れしない安全な資産運用なのです。不安をできるだけ少なく安心して資産運用を始めたい方に、自信を持っておすすめします。ただし、もし最低金利保証が適用される事態となった場合は、元本割れしないとはいえ、戻りが少ない運用結果となるためご留意ください。
年に2回、利子がもらえる
利子は半年ごとに1回、年間で2回受け取れます。一度購入したら放置しているだけで資産がプラスになるため、大雑把な方でも安心の資産運用方法といえるでしょう。ただし、元本が少なければ少ないほど利子の受取額は少なくなります。また、利子の受け取り時は20.315%の税金がかかることも押さえておきましょう。
まとめ
この記事では、個人資産運用をこれから始めようと考えている初心者や主婦向けのおすすめの方法を厳選して紹介しました。初心者や主婦の場合は、資産運用に関する知識が少ないため、闇雲に資産を投資するのはリスクが大きいです。
個人資産運用の知識がなくとも、安心して始めたいなら最初に選ぶべきは「個人国債10年」です。元本割れしない、少額の1万円から購入できる、最低金利が保証されているなど、メリットが多くおすすめです。ただし、長期の資産運用としておすすめするため、短期間で大きなリターンを望める方法ではないことをご承知おきください。将来にお金に関して不安を抱えている方は、リスクなく少しずつでも資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。